n個のベクトルで生成されうる線形空間においては、任意の線形独立なn個のベクトルが基底をなす

ベクトルの順序対を\( (v_1,v_2,v_3)\)などで表す。【定理】\(S\)を体\(K\)上の線形空間とする。\(V=(v_1,v_2,v_3)\)が\(S\)を生成し、\(W=(w_1,w_2,w_3)\quad(w_1,w_2,w_3\in S)\)が線形独立であるとき、\(W\)は\(S\)を生成する(したがって\(W\)は\(S\)の…

自然数の大小関係の比較可能性

加算の公理は\(x+0=x,x+S(y)=S(x+y)\)。\(x\leq y\)の定義は\(\exists z\in\mathbb{N}[x+z=y]\)。 【補題1】任意の\(a\in\mathbb{N}\)に対し\(0+a=a\)が成り立つ。 (証明)帰納法による。\(0+0=0\)。また\(0+a=a\)のもと\(0+S(a)=S(0+a)=S(a)\)。■【補題2】…

定義に従ってx^xを微分する

\(x^x(x > 0)\)の導関数を、定義に従って求める。 \(M > 0\)とする。\(\displaystyle\frac{M^h-1}{h}=\frac{e^{h\ln M}-1}{h\ln M}\cdot\ln M\)より、\(\displaystyle\lim_{h\to0}M=\alpha\)のとき\(\displaystyle\lim_{h\to0}\frac{M^h-1}{h}=\ln\alpha\)で…

順序完備でない全順序には、開区間だが基本開区間でないものが存在する

齋藤正彦『数学の基礎』p34、第1章§3問題7の解答。テキストの解答のように2段階で集合を構成する必要はないのではないか?という疑問を持っている。【補題1】全順序集合において、空でなく下に有界な基本開区間は下限を持つ。 (証明)\(I\)は全順序集合\( (…

完備全順序における開区間は基本開区間である

齋藤正彦『数学の基礎』p34、第1章§3問題6-1の解答を自分で書いてみた。【補題1】\(A\)は全順序集合\( (X, (証明)\(\{x\in X\mid x 同様にして、\(X\)の基本開区間の合併で表される集合が最大元\(q\)を持つとき、\(q\)は\(X\)の最大元であるか、さもなくば…

Heine-Borelの定理(改)

齋藤正彦『数学の基礎』p64、第2章§5の問題6、a)⇒f)の証明(p251)に冗長さを感じたので、自分で証明を書いてみた。同じ目的で以前に http://y-bonten.hatenablog.com/entry/2014/09/05/045328 を書いたのだが、これも煩雑であったので改良した。\(\bf R\)に…

上限性質と切断公理は、一般の全順序において同値である

注:以下において、「切断」は下組・上組ともに非空のものだけを許す流儀をとる。「ワイエルシュトラスの公理」あるいは「上限性質」などと呼ばれる、「上に有界な非空集合は上限を持つ」という命題は、順序体の完備性の表現のひとつとして知られている。こ…

区間縮小法の原理が成立するが、Cantorの共通部分定理が成立しない例

「幅がゼロに収束する閉区間の列のすべてに属す要素は高々1個であること」は、任意の順序体について成り立つ。したがって、Cantorの共通部分定理から区間縮小法の原理を導くことができる。では逆に、区間縮小法の原理からCantorの共通部分定理を導くことはで…

連続関数は、導関数の極限値が存在する点において微分可能である

【定理】連続関数\(f:\mathbb{R}\rightarrow\mathbb{R}\)が\(x_0\in\mathbb{R}\)以外の点で微分可能であり、\(\displaystyle\lim_{h\to0}f'(x_0+h)=\alpha\)(有限確定値)であるとする。このとき、\(f\)は\(x_0\)においても微分可能であり、\(f'(x_0)=\alph…

有理数全体の集合は順序完備でない

有理数全体の集合を\(\mathbb{Q}\)とする。\(A=\{r\in\mathbb{Q}|r > 0\wedge r^2 が\(\mathbb{Q}\)において上限\(c\)を持つと仮定し、\(c\in A\)と\(c\notin A\)のいずれを仮定しても矛盾が生じることを見る。\(1\in A\)から\(c(\geq 1) > 0\)である。\(\di…

清水明『新編量子論の基礎』、エルミート共役に関する等式の導出

清水明『新編量子論の基礎』3.5節(第7版p41~p42)における、エルミート共役に関する等式の導出が少し理解しづらかったため、自分で書き直してみた。エルミート共役の定義に直接かかわる(3.42)式を根幹に置いて、種々の等式を導出する。記号の混乱を避ける…

Zornの補題⇒濃度比較可能定理の証明

赤集合論p222、Zornの補題⇒濃度比較可能の証明。帰結は対称な形をしているので、証明も対称に書くことを試みた。(証明)\(X\times Y\)上の二項関係で、その任意の元\(\langle x_1,y_1\rangle,\langle x_2,y_2\rangle\)に対し\(x_1=x_2\leftrightarrow y_1=y…

「Zornの補題⇒整列可能定理」の証明のアウトライン

任意の集合\(A\)の部分集合上の整列順序の全体を\(\mathcal W\)とする。\(\mathcal W\)の元\( (A_1, \(\mathcal W\)の部分集合で\(\prec\)-全順序をなすもの\(\mathcal C\)について、\(\mathcal C\)のすべての元(の台集合)の和集合を\(C_0\)とする。\(C_0\…

切片関係について全順序をなす整列集合族の和集合は、この族の上界である

【定理】半順序集合\( (X, (証明)次の補題を準備しておく。【補題】\(\mathcal V\)の任意の元\(V_1\)と、その任意の元\(v\)について、\(v\)より小さい\(V_0\)の元はすべて\(V_1\)に属す。 (証明)\(x\in V_0\)かつ\(x \(V_0\)が\( 次に、\(V_0\)の任意の…

選択公理からZornの補題を導く・改

前エントリの補題アの証明を、整列集合の比較に関する性質を用いて書き直す。これにより、同値類を導入する必要もなくなる。前回と同様の箇所で超限帰納法を用いているが、これも最小原理で書き直すことができる。以下、変更点を赤色で示す。\( (X, \(X\)の…

選択公理からZornの補題を導く

前エントリでも参照した縫田さんによる証明をもとに自分なりに書き直したもの。途中で一か所、超限帰納法を使っているが、これは最小原理を用いて書き直すことができる。\( (X, \(X\)の元\(x\)と\(X\)の鎖\(C\)について、「\(x\notin C\)かつ\(x\)は\(X\)に…

「超限帰納法抜きで選択公理からZornの補題を証明してみた」の証明について

※このエントリには誤りが含まれています。「鎖\(C\)に属さない\(p\)が\(C\)の上界でない」ことから、「\(C\)は\(p\)より大きい要素を持つ」としてしまいました。実際には\(C\)が\(p\)と比較不能な要素を持つケースもあります。修正を検討中です。※反例があり…

集合論勉強会のフィードバック(2)

(内輪で投稿されたノートに対するコメントのため、関係者以外には意味不明です。) 問4:空集合のケースに関する議論はOK。「空集合でないケース」の証明は、以下の事柄を暗黙に用いている:「\(B\)の元は含まれず\(A\)の元のみ含まれる集合」(\(C\)とする…

赤集合論p167定理7

赤集合論p167定理7を、順序数の演算法則に頼ることなく証明したい。そのために、いったん上限の定義を整列集合や切片の概念に引きずりおろして翻訳しておき、その知識の範囲で完結するように証明を書き直す。【準備】順序数を元とする(空でない)集合\(V\)…

αとα+1の間に順序数が存在しないこと(赤集合論p163,p167,p170問5)

【問】\(\alpha 【解答】\(\langle A\rangle=\alpha,\langle B\rangle=\beta\)なる整列集合\(A,B\)をひとつずつとり、\(A\)の末尾に元\(z\)をひとつ付け加えた整列集合を\(A^+\)とすると\(\langle A^+\rangle=\alpha+1\)である。 \(\alpha 写像のひとつを\(\…

赤集合論p160注意1(p165問1)

【問】\(A\simeq A',B\simeq B'\)のとき、\(A\)が\(B\)に同型な切片を持つならば、\(A'\)は\(B'\)に同型な切片を持つことを示せ。【解答】はじめに、全単射\(f:P\to Q\)の制限写像\(f|_{P_0}\)(\(P_0\subseteq P\))は\(P_0\)から\(P_0^f\)への全単射であり…

集合論勉強会 (20141202)のフィードバック(1)

集合論勉強会で投稿されたノートについてのコメント(内輪用なのでノートがないと意味不明です)。・「\(A-B\)が可能」を正確に表現すると:空集合も一種の集合であると認めることにすれば、\(A,B\)がどのような集合であっても「\(A-B\)という集合が存在する…

赤攝也『集合論入門』p121注意2(p122問7)

【問】二つの集合系\(A_i(i\in I),B_i(i\in I)\)において、\(I\)の元\(i\)のいかんにかかわらず\(|A_i|=|B_i|\)が成立するならば、\(|\prod_{i\in I}A_i|=|\prod_{i\in I}B_i|\)であることを示せ。【解答】各\(i\in I\)に対し全単射\(\varphi_i:A_i\to B_i\)…

赤攝也『集合論入門』p117~p118定理2の証明

【定理】\(a,b\)を二つの濃度とし、\(a > 0\)とする。このとき、\(|I|=a\)なる集合\(I\)を添え字の集合とする濃度系\(b_i\)(\(i\in I\))が、\(i\)のいかんにかかわらず\(b_i=b\)を満足するならば、その濃度系の和は\(ab\)に等しい:\[\sum_{i\in I}b_i=ab.…

赤攝也『集合論入門』p111問4

以下、テキストに合わせて\(0\notin\mathbb{N}\)としておく。【問】自然数の任意の列:\(m_1,m_2,\cdots,m_n,\cdots\)に対して\(m_1+m_2+\cdots+m_n+\cdots=\aleph_0\)が成り立つことを示せ。【解答】\(|A_k|=m_k\)を満たす素な集合系\(A_k\ (k\in\mathbb{N}…

赤攝也『集合論入門』p87問5

【問】集合\(A,R\)に対し、\(R\)から\(R\)への写像全体の集合を\(F\)、\(A\)から\(R\)への写像全体の集合を\(F_1\)とする。\(A\sim R\)ならば\(F_1\sim F\)であることを示せ。【解答】\(A\)から\(R\)への全単射の一つを\(\varphi\)とする。任意の\(f\in F\)…

部分集合への単射に関する性質

【演習】\(f\)は集合\(A\)からその部分集合\(B\)への単射であるとする。このとき、任意の自然数\(m,n\)(ただし\(m\neq n\))について\(f^m[A\backslash B]\cap f^n[A\backslash B]=\varnothing\)となることを示せ。【解答】\(m > n\)としても一般性を失わな…

Bernsteinの定理(改)

前エントリの証明を、\(A\rightarrow B\)でなく\(A\rightarrow g[B]\)の全単射を構成する方法に変えただけの証明。\(g^{-1}\)が登場しないのでちょっとだけ簡明かもしれない。【定理】(Bernsteinの定理) 集合\(A,B\)について、単射\(f:A\rightarrow B\)と…

Bernsteinの定理

【定理】(Bernsteinの定理) 集合\(A,B\)について、単射\(f:A\rightarrow B\)と単射\(g:B\rightarrow A\)が存在するとき、全単射\(h:A\rightarrow B\)が存在する。(証明)以下、自然数全体の集合\(\mathbb{N}\)には\(0\)も属すとする。 \(\displaystyle C=…

Heine-Borelの被覆定理

\(\bf R\)についてのHeine-Borelの被覆定理、すなわち「閉区間の任意の開被覆は有限部分被覆を持つ」を、Weierstrassの上限公理から導く。(証明)\(\mathcal U\)を閉区間\([a,b]\)の開被覆とする。\([a,b]\)の要素であって、しかも\([a,x]\)が\(\mathcal U\…