赤攝也『集合論入門』p87問5

【問】集合\(A,R\)に対し、\(R\)から\(R\)への写像全体の集合を\(F\)、\(A\)から\(R\)への写像全体の集合を\(F_1\)とする。\(A\sim R\)ならば\(F_1\sim F\)であることを示せ。

【解答】\(A\)から\(R\)への全単射の一つを\(\varphi\)とする。任意の\(f\in F\)に対し\(f\cdot\varphi\)は\(A\)から\(R\)への写像となるから、\(F\to F_1, f\mapsto f\cdot\varphi\)なる写像を考えることができる。これが全単射であることを示す。

単射であること:\(f_a,f_b\in F\)かつ\(f_a\cdot\varphi=f_b\cdot\varphi\)と仮定する。両辺を\(\varphi^{-1}\)の後に合成した写像も相等しく、\(f_a=f_b\)が得られる。

全射であること:任意の\(g\in F_1\)をとり、\(f\cdot\varphi=g\)となる\(f\in F\)が存在することを導く。\(g\cdot\varphi^{-1}\in F\)であるから、\(f\)としてこれを選べば\(f\cdot\varphi=(g\cdot\varphi^{-1})\cdot\varphi=g\)となる。■