集合論勉強会 (20141202)のフィードバック(1)

集合論勉強会で投稿されたノートについてのコメント(内輪用なのでノートがないと意味不明です)。

・「\(A-B\)が可能」を正確に表現すると:空集合も一種の集合であると認めることにすれば、\(A,B\)がどのような集合であっても「\(A-B\)という集合が存在する」「~という集合を考えることが可能」「~という集合を定義することが可能」あたりか。

・\(A-B\)という集合算の「答え」として空集合も許される代わりに、\(A\)や\(B\)が空集合である場合も出てくることに注意。

・\(A-\varnothing=A,\varnothing-A=\varnothing,\varnothing-\varnothing=\varnothing\):最後の等式は、前二者(どちらでもよい)においてたまたま\(A=\varnothing\)の場合に相当する。

・「\(\varnothing\subset A\)」:「Aが空集合でないとき」が抜けている。

・「\(A-B\)が空集合であっても」→「\(A\)や\(B\)が空集合であっても」。

・問3の1つ目:OK!

・問3の2つ目、\(A=\varnothing\)のとき:OK!

・\(B=\varnothing\)のとき:論理的には誤っていないが、\(A\subset\varnothing\)(\(\subseteq\)でないことに注意)から直接「これは起こり得ない」と結論できる。

・\(C=\varnothing\)のとき:誤っている。「仮定(\(A\subset B\)や\(B\subseteq C\))に反するから起こり得ない」というのは正しいが、「これから示そうとしている\(A\subset C\)に反するから起こり得ない」は誤り(※どう直せばよいか?)

・\(A,B,C\)が空集合であるかどうかに関わらず、仮定の\(A\subset B\)および\(B\subseteq C\)のみから一般に導けることを可能な限り導いておくという方法もある。

(証明)\(A\subset B\)から(1)\(B\neq\varnothing\)。これと\(B\subseteq C\)から(2)\(C\neq\varnothing\)(※なぜか?)。よって(3)\(\varnothing\subset C\)。ここまでは仮定のみから導かれる。すると\(A=\varnothing\)のときは(3)から\(A\subset C\)が導かれ、\(B=\varnothing\)や\(C=\varnothing\)というケースは(1)(2)から起こり得ないことが分かる。■

・テキストの略解では、上の(1)(2)を「問の仮定より,\(B\)や\(C\)は空であり得ない.」と済ましている。

・問4「\(A\supseteq A-B\supseteq A'\supseteq A-B\)」:誤っている。まず、最後の\(A-B\)は\(A'-B\)の誤記か。そう直せば、1個目と3個目の\(\supseteq\)は正しい。しかし2個目の\(\supseteq\)の根拠が分からない。

・\(P\supseteq Q\)の定義は「任意の\(x\)について、\(x\in Q\)ならば\(x\in P\)」。\(P\supseteq Q\)はその略記と考えて、定義に従って書き直す習慣が必要。

・問4でやるべきことは、「\(A\supseteq A'\)と\(x\in A'-B\)を仮定して、\(x\in A-B\)を導く」こと。では\(x\in A'-B\)の定義は?と考えてゆく。