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『Henle集合論』定理6.13

『Henle集合論』定理6.13の証明を書いてみた。

【定理】\( (B, < _B)\)を整列集合とする。ある順序数から\(B\)への、順序を保つ全単射が存在する。
(証明)整列集合\( (B, < _B)\)に対し、\(c\notin B\)なる\(c\)をとる。超限再帰的定義により、順序数全体のクラスを定義域とする関数クラス\(g\)を次のように定める。ただし、\(g[\alpha]\)は\(g\upharpoonright_\alpha\)の値域である。\[g(\alpha)=\begin{cases} {\rm min}(B\backslash g[\alpha]) & (B\nsubseteq g[\alpha]のとき) \\ c & (B\subseteq g[\alpha]のとき)\end{cases}\]上段では\(g(\alpha)\in B\)、下段では\(g(\alpha)\notin B\)となることに注意。
\(g(\mu)=g(\nu)\in B\)を仮定して\(\mu=\nu\)を導く。背理法により\(\mu < \nu\)とすると、\(g(\mu)\in g[\nu]\)である一方で\(g(\nu)\in B\backslash g[\nu]\)すなわち\(g(\nu)\notin g[\nu]\)となり矛盾する。\(\nu < \mu\)と仮定しても同様である。

上で示したことと置換公理から、\(\{\alpha\mid g(\alpha)\in B\}\)は集合をなすので、これを\(D\)とする。\(g\upharpoonright_D\)は置換公理により集合をなすが、これが所望の写像であることを示す。
・\(D\)が順序数であること:\(D\)は順序数のみからなるので整列順序をなしている。\(\mu < \nu\)のとき\(B\backslash g[\nu]\subseteq B\backslash g[\mu]\)だから、さらに\(\nu\in D\)であるならば左辺が非空ゆえ右辺も非空となり\(\mu\in D\)、したがって\(D\)は推移的集合である。
・\(g\upharpoonright_D\)が単射であること:すでに上で示されている。
・\(g\upharpoonright_D\)が順序を保つこと:\(\mu,\nu\)はともに\(D\)に属し\(\mu < \nu\)であると仮定する。すると\(g(\nu)\in B\backslash g[\nu]\subseteq B\backslash g[\mu]\)であり、最右辺の最小元\(g(\mu)\)は\(g(\nu)\)以下となる。これと\(g\upharpoonright_D\)の単射性から\(g(\mu) < _B g(\nu)\)を得る。
・\(g[D]=B\)であること:\(D\)の定義から\(g[D]\subseteq B\)である。また、\(D\)は順序数ゆえ\(D\notin D\)すなわち\(g(D)\notin B\)であるから\(B\subseteq g[D]\)である。■