赤攝也『集合論入門』p111問4

以下、テキストに合わせて\(0\notin\mathbb{N}\)としておく。

【問】自然数の任意の列:\(m_1,m_2,\cdots,m_n,\cdots\)に対して\(m_1+m_2+\cdots+m_n+\cdots=\aleph_0\)が成り立つことを示せ。

【解答】\(|A_k|=m_k\)を満たす素な集合系\(A_k\ (k\in\mathbb{N})\)をとり、各\(A_k\)の要素を\(a_{k1},a_{k2},\cdots,a_{km_k}\)とする。\(A=\displaystyle\bigcup_{k\in\mathbb{N}}A_k\)(直和)と\(\mathbb{N}\)との間に全単射が存在することを示す。

\(\displaystyle b_0=0,\ b_k=\sum_{j=1}^km_j(k\in\mathbb{N})\)とおき、写像\(f:A\rightarrow\mathbb{N};\ a_{kl}\mapsto b_{k -1}+l\)を考える。
\(f\)が単射であること:\(b_{k -1}+l=b_{k'-1}+l'\ (k,k',l,l'\in\mathbb{N},\ l\leq m_k,\ l'\leq m_{k'})\)と仮定する。もしも\(k < k'\)であれば両辺から\(b_{k -1}\)を引いて\(l=m_k+\cdots+m_{k'-1}+l'\)となるが、これは\(l\leq m_k\)に反する。\(k > k'\)としても同様ゆえ\(k=k'\)、したがって\(l=l'\)。
\(f\)が全射であること:任意の\(n\in\mathbb{N}\)に対して、\(n\leq b_k\)を満たすような\(k\in\mathbb{N}\)をそのつど取ることができる(例えば\(k\)として\(n\)を選べばよい)。そのような\(k\)の最小値を\(K\)とすると\(b_{K -1} < n\leq b_K\)が成り立ち、\(b_{K -1}\)を減じると\(0 < n-b_{K -1}\leq b_K-b_{K -1}(=m_K)\)となる。\(L=n-b_{K -1}\)と置けば\(L\in\mathbb{N},\ L\leq m_K\)であり、\(f(a_{KL})=b_{K -1}+(n-b_{K -1})=n\)となる。