2項関係の除算と表現行列

$R:A\leftarrow B, S:A\leftarrow C$に対して、$X:B\leftarrow C$についての条件\[R\circ X\subseteq S\tag{*}\]を考える。表現行列で言えば$RX\leq S$である。ここで$\leq$は「対応する各要素(ブール値)がいずれも$\leq$」と定義される半順序である。$R,S$を列ごとに分けたベクトルをそれぞれ$b_i,c_j$とおくと、(*)は各$j$について\[\bigoplus_i b_iX_{ij}\leq c_j\]が成り立つことと同値である。これは結局、さらに各$i$について\[b_iX_{ij}\leq c_j\]すなわち\[b_i\leq c_j\vee X_{ij}=0\]が成り立つことにほかならない。$b_i\not\leq c_j$のときは$X_{ij}=0$でなければならないが、$b_i\leq c_j$のときは$X_{ij}$は$0,1$のいずれの値もとりうる。各$i,j$について$X_{ij}$のとりうる最大値を並べたものが$R\backslash S$の表現行列となる。