20220601輪講のノート

●次の数列$a_n$($n=1,2,3,\cdots$)\[n\mapsto\left\{\begin{array}{ll}1&(n=1,10,100,\ldotsのとき)\\1/n&(それ以外のとき)\end{array}\right.\]は$0$に収束しない(つまり、$n$を限りなく大きくしても$0$には限りなく近づかない)ことを$\epsilon N$論法を用いて説明してください。すなわち\[\exists\epsilon > 0\forall N\in\mathbb{N}\exists n\in\mathbb{N}[n\geq N\wedge |a_n-0|\geq\epsilon]\]が成り立つことを示してください。(ヒント:$\exists\epsilon > 0$という命題を証明したいので、何か具体的な正の実数$\epsilon$について$\forall N\in\mathbb{N}$以下が成り立つことを言えばよい。)

●数列の収束先の一意性証明:$|a-a'|=t > 0$と仮定して矛盾を導く。「$n\to\infty$のとき$a_n\to a$」から、$|a_{N_0以降}-a| < t/2$なる$N_0$がとれる。同様に$|a_{N_1以降}-a'| < t/2$なる$N_1$がとれる。$N={\rm max}\{N_0,N_1\}$とすると$|a_N-a| < t/2$かつ$|a_N-a'| < t/2$である。すると$|a-a'|\leq|a_N-a|+|a_N-a'|<(t/2)+(t/2)=t$つまり$t < t$となって矛盾する。