20180610集合と位相ゼミの補足(上限の定義について)

上限の定義に登場した、\[\forall y\in X[yはAの上界である\rightarrow a\leq y]\]と\[\forall x\in X[x < a\rightarrow\exists b\in A[x < b]]\]の同値性を納得しておきたい。記号を揃えるために前者の\(y\)を\(x\)と書き直す:\[\forall x\in X[xはAの上界である\rightarrow a\leq x]\]いっぽう、後者の\(\exists\)以降は「\(x\)は\(A\)の上界でない」と書ける:\[\forall x\in X[x < a\rightarrow xはAの上界でない]\]両者を見比べると互いに対偶になっている。ただし、
・「\(x\)は\(A\)の上界でない」は\(\exists b\in A[\neg b\leq x]\)だが、この\(\neg b\leq x\)を\(x < b\)と書いてよい
・\(a\leq x\)と\(x < a\)とが互いの否定になる
のは、「全順序で考えている」という前提のもとなので、一般の半順序では後者の定義は正しくない。